MAX EURO Challenge in Salbris/フランス 2007年3月27日(火)


アムステルダムから1時間程度の所にあるロッテルダムのP.D.B.レーシング(ピーターデブリン)に高速で向かいました。
オランダの高速はスピード違反が厳しいので170キロでカッ飛んでも許されるフランスと違って、
日本と大して変わらないスピードで流れています。
アムステルダムからロッテルダムの高速沿いにはオランダらしく田園風景と風車が見れます。
ロッテルダムとという都市はオランダではアムステルダムに次ぐ都市でアムステルダムからは60キロに位置します。
街は港湾都市で住宅地の中にも水路が巡り、道路脇の水路にたくさんの船が係留されています。
こんな風景は日本ではまず見られません。
ここは、ハーグ、ユトレヒト、ブレダにも近い北海へと注ぐデルタ地帯であり、ドイツのルール工業地帯へはライン川で結ばれています。
そして日本との貿易の中継点となるため世界一の貿易港となっています。
英国製のギラードシャーシをアッセンブルするP.D.B.がロッテルダムにあるのは当然と言えるのかもしれません。
早く着いたので、ティムがベルギーから来るまで、
ロッテルダム名物のキューブハウスと言われるマンションを見たりして近所を歩いていました。
フランスとは違いポカポカと陽気が良いので公園で日向ぼっこしながら、
「こんな町中の煉瓦作りの小さなファクトリーからチャンピオンが出るのだなー、向いの自動車修理工場の兄ちゃんは知ってるのかな?」
とぼんやり考えたりしていました。
中にはいると、ピーターさんや阿部さんがいました。
ピーター・デブリンさんと言えばカート界のレジェンドですが、とっても気さくなおじさんで、ファクトリーをくまなく見せてくれたり、
スペシャルパーツの説明をしてくれたり半日つきあってくれました。
ボクは本邦初、P.D.B.の内部を全て、エンジンダイナモ室やスペシャル機器など、ビデオカメラに納めてしまいました。
日本人エンジニアの阿部さんはというと、新しい125ccのエンジンを組むのに忙しくて寝る暇も無いみたいです。
P.D.B.にはトロフィーや写真などが壁一面に飾られており、カートの雑誌類も昔のものまで保管されています。
そんな昔のカート雑誌を見ていると、今マスタークラスで戦っているドライバーが
ロータリーでヨーロッパ選手権を走っている写真を見つけました。
思い出でいっぱいの場所ですが、壁には特に奥さんのロタの写真はいっぱいあります。
ボクはカートを初めてすぐの時に鈴鹿ワールドを見に行き、FSAのトップを走るロタを見て、
男どもを従えて走るロタのかっこよさに感動しました。
そのときは残念なことにトラブルで止まってしまいましたが、一緒に撮って貰った写真は宝物です。
いま、彼女の名前を冠したシャーシに乗っているのはちょっとした不思議です。
そのことを言うと、「とっても良い娘だったよ。」とティムも思い出したように言っていました。
ピーターさんは根っからのカート好きで、日本からわざわざやってきたカート好きのことを分かってくれたのか、
昔の4ニードルのキャブを出してきて「これが大変だった」とか「このロータリーバルブはいつの時のだ」
「このピストンはどうのこうの」とかいろいろ話をしてくれました。
みなさんもロッテルダムに行かれるときには、サッカーのフェイエノールトだけではなくP.D.B.レーシングに立ち寄ってみてください。
暖かいコーヒーとカートの話できっと盛り上がることでしょう。
ボクはティムと一緒にP.D.B.ベルジャンがある、ベルギーのアントワープに向かうことにしました。

Report by Takiyama